凍結したブドウから造られるワイン



年末・年始は何かと人の集まる季節です。食後にちょっと贅沢なアイスワインは如何でしょうか。アイスワインは、天然状態で凍ったブドウから造られた高級甘口ワインです。
アイスワインは1794年、ドイツのフランコニア地方で誕生しました。その年はブドウ畑が予想もしない寒波に襲われ、ブドウがすべて凍ってしまい処分することになりました。諦めきれなかった農民たちは凍ってしまったブドウでワインを造ったところ、とても糖度が高く美味しいワインできました。まさに偶然の産物なのです。
アイスワインとして最も有名なものはドイツのアイスヴァインですが、カナダやオーストリアでも造られています。アイスワインはブドウを人工的に凍結させることは禁止されています。気温がマイナス8度以下まで下がったときに収穫され、しかも凍ったそのブドウは、ひとつひとつ丁寧に手作業で摘まれます。とても過酷な作業です。アイスワインと名乗るためには、収穫方法、気候条件、ブドウの糖度などの厳格な基準を満たす必要があるため、
毎年造ることが困難なワインです。こんな貴重なものだから、ぜひ特別の日に楽しみたい逸品です。

(参考)リカーショップミツヤのHP こちら



 寒天の由来



寒天の原料になるところてんは、奈良時代、中国から伝えられましたが、寒天は江戸時代に入ってから偶然発見されたものです。
天保4年(1647年)冬、薩摩藩主の島津公が京都伏見の本陣「美濃屋」に宿泊しました。島津公にもてなしにだされたところてんが残ったので戸外へ出しておいたところ、夜の寒さで凍り、数日後には、白い乾物になっていました。美濃屋の主人太郎左衛門はこれを見つけて、煮溶かしたところ透明で癖がなく美味しかったことから、工夫を重ね製法を編み出したことが始まりだとか。その後、美濃屋の名物料理になり話題になったそうです。寒天の名前は当時、「ところてんの乾物」と呼ばれていましたが、隠元禅師が、寒い天(そら)の下で作られることから「寒天」と名付けたといわれています。
寒天は今でも工場生産ではなく手作りです。ところてんを厳寒の戸外に並べて、約ニ週間凍結と乾燥を繰り返させて作るそうです。




 てっちりの語源



河豚ちり鍋のことを『てっちり』といいますが、どんな語源があるかご存知でしょうか?
てっちりの『てつ』は鉄砲の鉄からきています。河豚には毒があり「当たったら死ぬ」ことから、河豚のことを『鉄砲』と呼んでいました。これは河豚の食用が禁じられた頃、関西で使われていた隠語で、その当時、大きな声で「今日は、寒いから河豚鍋でも食べようか」とはいえなかったようです。つまり、「てっちり」というのは「鉄砲ちり鍋」のことで、「てっさ」は「鉄砲の刺し身」を略したものです。
豊臣秀吉の朝鮮出兵のおり、兵士たちが河豚に当たって命を落とす者が続出しました。それを聞いた秀吉はその食用を禁じました。これが日本における最初の河豚の食用禁止の始まりです。江戸時代、武士は中毒死すると家禄没収の厳罰が下りたそうですが、一茶や芭蕉が河豚を詠んだり、落語のネタや浮世絵の画材にされたように禁令をくぐって広く食用されたようです。
河豚の食用を解禁したのは伊藤博文です。下関の料亭春帆楼を訪れた際、時化(しけ)のためお出しする魚がなかったため、禁令を承知の上で河豚を出したところが、博文公はこんな美味しいものを禁止するのはおかしいということで解禁になったそうです。



 インドの薬膳料理



日本のカレーは、一般的にカレー粉でつくられますが、本場インドでは、30〜40種類のスパイスをブレンドして作ります。黄色の色合いをだしているターメリックは、日本ではウコンの名で知られている薬効成分の強いスパイスです。その他、コリアンダー、クミン、スターアニス、唐辛子、胡椒、生姜、クローブ、ナツメグなどが使われています。薬としても用いられるスパイスがこれだけ入るカレーはインドの薬膳料理です。
インドの家庭では、普段の食事でも体調が悪いときには、スパイスの調合を変えるだけで元気になってしまうほど重宝なものだそうです。先日のテレビ番組の中で、ダイエットカレー、美肌カレーのレシビを紹介して科学的に分析していました。スパイスの調合を変えるだけでダイエット、美肌に効果がこれほどとは思ってもいませんでした。100種類ほどあるスパイスの味や香り薬効まで考えて使いきるのはなかなか難しいようですが、スパイスの効果的な使い方がわかれば薬いらずになれるかもしれませんね。

(参照)江崎グリコのHP こちら  



 奈良明日香地方の郷土料理『飛鳥鍋』



牛乳を使った料理といえば西洋料理のイメージが強いのですが、日本にも昔から奈良に『飛鳥鍋』という牛乳鍋があります。飛鳥鍋は奈良県明日香(飛鳥)地方に伝わる郷土料理で、牛乳を加えただし汁と白味噌で具を煮た料理です。具は鶏肉がメインで他にいろいろな野菜が入ります。和と洋がミックスした不思議な印象がありますが、意外なほど牛乳の臭みがなくまろやかでコクのある味わいなので病みつきになる人も多いそうです。
今から約1300年前に飛鳥に伝わったといわれる乳製品は奈良時代から食され、貴族階級の間では不老長寿に効き目があるとして牛乳を飲む風習広まっていたようです。その後、妙楽寺という寺の僧たちが鶏肉の牛乳煮を思いついたのが始まりだとか。*牛乳と味噌 「ゲッ!」って思ったのですが、全く牛乳臭ささがなくてお薦め!

(参考)万葉ものがたりのHP こちら



 美食家ルイ14世の料理の隠し味



最海外では日本食がブームになています。日本食といえばかかせないのが醤油です。この日本の醤油が西洋の歴史に登場するのは、17C、日本の江戸時代前期のことです。コンプラ商人によって海を渡っり、ヨーロッパの食通達の舌をうならせました。ルイ14世の食事の隠し味として使用された話は有名です。1765年に出版された「百科全書」にも紹介されています。
醤油はコンプラ瓶(日本名:金富良瓶)に詰められて輸出されていました。コンプラの語源は、ポルトガル語のコンプラドール(仲買人)という意味からきています。オランダ人に日用品を売る特権を与えられた商人をコンプラ商人と呼んでいたようです。コンプラ瓶は波佐見焼で、瓶の肩に『JAPNSCHZOYA』とかかれていました。文豪トルストイは、書斎の一輪さしとして愛用していたようです。

(参照)キッコーマンのHP こちら




 チーズの形を変えたナポレオン



スーパーなどにいろいろな種類のチーズが並ぶようになりました。なかでもユニークなのがヴァランセというシェーブルチーズ(山羊乳)。ピラミット型の上の部分を切り取ったような形で表面には黒い灰がまぶしつけてあります。中は真っ白で爽やかな酸味があり、サラダやオードブルのカナッぺに添えると美味しく食べられます。灰はシェーブル特有の酸味を和らげたりるためにまぶしてあるとか。
このチーズの原産国はフランス、ロワール河流域のベリー地方。ヴァランセの名前はナポレオンの外相タレーランのお城の名からとったものです。元々ピラミット型のチーズでしたが、エジプト遠征に失敗したナポレオンがタレーランのもとを訪れたおり、ピラミットに似たチーズがだされ腹を立てたといいます。それ以来、チーズの上の部分を切り落とした形で作られるようになったようです。こんな逸話をつまみに白ワインなど飲むとよりいっそう美味しいお酒になるでしょうね。



 レモン入れるとブルーからピンク色に


風邪をひいてしまったら、薬もいいですが、ハーブの力を借りてみませんか?ヨーロッパでは風邪による咳や喉などの痛みがひどい時に、マロウティーを飲みます。マロウティーは気管支炎や呼吸器系の症状に効果あり昔から民間薬として重宝してきました。また、便秘やニキビにも効果があります。
マロウのティーは色の変化が美しいお茶としても有名です。ハーブティーはほとんどのものが麦わら色のような色のものが多いですが、このティーは鮮やかなブルーです。レモンを浮かべると、とても綺麗なピンク色に変わります。まるで朝焼けの空のようなので、「夜明けのティザース」と呼ばれています。お客様を驚かせるのにはぴったりのティーです。感動・感激されること間違いないです。味も香りもほとんどないティーなのでハチミツやレモンを入れて飲む人が多いそうです。また、お菓子のマシュマロは、マーシュマロウの根から作られた薬用食品に由来しています。


(参考)mallow teaコモンマロウマーシュマロウ



 フランス料理の起源


クリスマスが近づきフランス料理などを予約なさっている方も多いと思いますが、フランス料理はイタリアの大富豪メディチ家との縁組によって発展したものです。1533年フイレンツェの大富豪メディチ家のカトリーヌがフランス王アンリ2世に嫁いだときに、花嫁道具として、数人の腕のよい料理人を連れて行き、同時に、多くの香辛料、それまでにフランスになかったフォークを持参しました。この婚姻により、フランス宮廷の食事のマナーの改革、さまざまなスパイスを使った料理、シャーベットなどのデザートなど最先端の料理技術がフランスに伝えられました。その後、現在のフルコースの原型が出来上がるのは、ルイ14世(在位1643〜1715年)の時代です。フランス絶対王制の最盛期でベルサイユ宮殿で贅をつくした生活をしていたころです。そしてフランス革命(1789年)で、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの処刑によって革命が終わると、貴族たちに雇われていた多くの腕の良いシェフが職を失い、街にレストランを開きました。こうして貴族のフランス料理が一般市民の中に広がってゆくことになります。




 11月1日は紅茶の日


11月1日は紅茶の日です。数年前に映画化された「おろしや国酔夢譚」の主人公、大黒屋光太夫がロシアで紅茶をいただいた日です。
大黒屋光太夫は伊勢の商人で、1782年船が難破し、ロシアのアリューシャン列島にたどりついたのですが、帰国を許されず、ロシアに10年ほど過ごすることになります。日本への帰国の許可を得るためにロシアの首都ペテルブルクを目指し過酷な旅を強いられます。1791年11月1日、エカテリーナU世に謁見がかない、正式に帰国の許可を得ることができました。その時に、いただいたものの中に紅茶が含まれていました。これにちなんで、1983年日本紅茶協会が紅茶の日を設定したものです。大黒屋光太夫がエカテリーナU世のティーパーティーに招かれたということも考えられますが、史実として確認できていないようです。
日本に無事帰国できたのは、17人中3人だけで、大黒屋光太夫は帰国しても故郷に帰ることが許されず、香町の薬園で一生を終えることになりました。

(参考)「おろしや国酔夢譚」井上靖著 







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